今すでにSR400に乗っている人にとっては当たり前のように思えるキックスタートですが、初めて乗る人やいつかは乗ってみたいと思っている人にとっては未知の領域ではないかと思います。
実際に私もそうでした。キックスタートは原付バイクやホンダのスーパーカブでやったことがありましたが、SR400はデコンプレバーがありますから少し手順が変わってきます。
今回はSR400でエンジンをかける手順や、ちょっとしたコツについてのお話です
SR400のエンジンをかける手順
私が実際にエンジンをかける時に行っている方法であり、取扱説明書に書かれている方法とほぼ同じです。
まずはメインスイッチ(キーシリンダー、鍵穴)にキーを挿入します。右に回してONにしましょう。
次にエンジンの右側にあるキックペダルを引っ張り出し、軽い力で蹴ります(踏みます)。すると途中から硬くなって、かなり強い力で蹴らないとペダルが下がらなくなるポイントにさしかかります。
ここで登場するのがデコンプレバーです。
デコンプレバーはクラッチレバーの下の方に隠れています。無理に硬いキックペダルを蹴らないで、硬くなったらデコンプレバーを握ってから、再び軽い力で蹴っていきます。
余談ですが、15年ほど前に初めて友人から譲り受けたSR400はスカチューン仕様でしたので、このデコンプレバーが取り外された状態でした。
「慣れれば問題ない」と言われましたが、結局は片手で数えられるほどしかエンジン始動に成功できず、嫌いになって売ってしまいましたよ。苦い思い出です。
話を戻しますが、デコンプレバーを握ったままだと軽い力でもキックペダルがどんどん蹴れるのですが、これだけではエンジンはかかりません。
ちょうどエンジンの頭の部分に小さなのぞき窓(キックインジケーター)がありますので、そこが黒色からシルバーになるまでゆっくりと蹴っていき、シルバーになったらキックペダルを蹴るのをやめて、デコンプレバーを離します。
正確には、シルバーのものがチラッと見えるまで蹴るっていう感じでしょうか。キックインジケーターの下半分がシルバーになっているのがわかると思います。
あとは、一度キックペダルを完全に戻した場所から、デコンプレバーを握らずに勢いよく蹴り切ればエンジンがかかるというわけです。
参考:ヤマハSR400の特徴でもあり良さでもある「キックスタート」はそれほど面倒?一発で始動するコツってあるの?
ポイントは勢いよく蹴り切ること。それと、蹴り切った後で少し止まるくらいがちょうどいいと思います。
蹴った後にすぐにペダルから足が離れると、ものすごい勢いでキックペダルが戻ってきて、最悪の場合はケッチンをくらう(弁慶の泣き所のあたりにキックペダルがぶつかって痛い、最悪の場合は骨が折れる)という状況になります。
2020/01/27修正:ケッチンについての説明に誤りがありました。キックペダルをキックした時にエンジンが逆回転してしまいキックペダルが逆方向にすごい勢いで返ってくる状態をケッチンと呼びます。
勢いよく蹴り切ってしまえば大丈夫なのですが、怖がって十分に蹴り切らないと、足裏に向かって強くペダルが跳ね返ってくることが多く、足裏が痛いですしビックリします。
また、キックペダルにしっかり足が乗り切っていない状態でキックしてしまい、足がペダルから滑り落ちてしまうと、ケッチンで跳ね返ってきたキックペダルがスネのあたりを強打してしまい、怪我をする恐れがあります。
暗くてキックインジケーターが見えないときはどうするの?
私がお世話になっているバイクショップの店長さんは、エンジンをかける時に、いちいちキックインジケーターを見ていません。
それどころかスムースすぎていつデコンプレバーを握っているのかわからないほどです。SR400に慣れてくるとこのようになるのですね。
そうでなくても、キックインジケーターは本当に小さな窓ですから、真っ暗な時にはほとんど見えませんし、左側にあるデコンプレバーを握りながら右側にあるキックインジケーターをのぞきつつキックペダルを蹴り進めて・・・って、意外に窮屈なんですよね。
なのでキックインジケーターを見ないでエンジンをかける時のコツについても触れておきます。
ポイントは、デコンプレバーを全部握りきってしまわないことです。
イメージ的には数ミリ程度握っておく感じで、軽い力で握ります。
すると、キックインジケーターが黒色からシルバーになった瞬間、デコンプレバーを握っている手に振動が伝わってきます。
人によってその表現は様々ですが、カクッとした振動があるという人や、スーッとデコンプレバーが軽くなるというような感触を感じる人もいるようです。
この方法を試してみるのであれば、実際にこの方法でキックインジケーターがシルバーになっているかを昼間のうちに確認して練習してみるのが確実ですね。
感覚でエンジンをかけられるとSR400との一体感が出てくるよ
私は今となってはキックインジケーターを見ることはほとんどありませんが、たまに見てみるとシルバーになっていないことがあります。それでも楽にエンジンはかかります。
キックペダルが硬くなるまで蹴って、そこからデコンプレバーを握って5cmくらいキックペダルを踏み込んで(この時点でシルバーになっていると思い込んでいるけど、実際にはそうなっていないことも多い)、デコンプレバーを離して一気に蹴るという感じです。
今のところはこの方法で困ったことはありません。
一応は正しい方法を知っておいて、あとは自分の感覚で楽にエンジンが始動できるようになれば何でもいいのかなーなんて思っています。
ただ、その方法がバイクの寿命を縮めてしまうようなものであればちょっと良くないですね。
知識を持った上で、最終的には流れるように感覚でエンジンを始動することができれば、愛車との一体感が生まれて、さらにSR400のことが好きになるはずですよ。
追記:キックスタートがうまくできない時にチェックして欲しいポイントを別記事でまとめました↓
SR400のエンジンがかからないときにチェックできる簡単なポイントとは | SR Fan.jp
2020/03/28追記:方法さえちゃんと合っていれば、男性でも女性でも問題なくキックスタートできます。自分が女性だから無理なんじゃないかと思うことがあれば、こちらの記事もお読みくださいね↓
参考:SR400はバイク初心者の女子でも乗れる!キックスタートは女子でも無理じゃない!!
Posted by 愛媛ブロガー Atsushi(@Atsushi_k0)
コメント
こんにちは。
SRに乗りたいな~と購入を検討しています。
試乗した時にエンジンがかけられず、また、自宅に駐輪スペースを作らなかったので
どうやって手元に置こうか…と情報収集しています。
エンジン始動のコツを参考にさせていただきますね。
メンテナンスや保管についての記事も読ませていただいています。
また教えてくださーい。
みほ さん、コメントありがとうございます。
SR400のご購入を検討されているということですね。これからバイクが気持ちいい季節になりますし、ぜひ楽しんでいただきたいと思っています。
エンジンの始動は、ある程度は慣れの部分もありますので、このブログの記事をご参考に、何度もエンジンをかけてみるのがいいですよ。
毎日乗っているSR400であれば1発始動、何日か乗らない日があったとしても2〜3回のキックでエンジンがかかります。逆に言えば何日か乗っていないSR400であれば1発始動はかなり難しいと思いますよ。
私は基本的には毎日乗りますし、エンジンがかからなくて苦労したということは今のところほとんどありませんので、試乗した時のことは気にしなくても大丈夫ですよ。
また、駐輪スペースは我が家には作っていますが、屋根が小さすぎてあまり雨を防げていないので、ほとんど使っていません。車庫の隙間にギリギリ置けるようになっているので、自動車とバイクがスペースを作り合っています。やはりメッキパーツが多いので錆びるのがネックですね。なるべく水に濡れないところを確保できると一番いいのですが。。。
すごくいいバイクだと思っていますので、ぜひ手に入れられたら楽しんでいただきたいです。吉報をお待ちしていますよ(*´∀`*)