ヤマハ SR400に約1年半乗っていて想う使用感と注意すべきポイントとは

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SR400が私のもとに来てからすでに1年半が経過しようとしています。その間に長距離・短距離といろいろ走ってみて感じた使用感を述べたいと思います。

正直いうと最初は「不便だなー」と感じる時もありましたが、今となってはさほど気にすることもなくなりました。

キックスタートに対する慣れが必要

冒頭でも書きましたが、「不便だなー」と感じる理由の代表格は間違いなくココです。

そもそも、原付バイクでもセルモーターを搭載しているものが主流であり、私もキックスタートのバイクといえば、ホンダスーパーカブとか一部のオフロードモデルしかパッと思い浮かびません。

普通はセルモーターで始動して、緊急の手段としてキック始動もできるというのが一般的だろうと思います。

400ccクラスのバイクでセルモーターが搭載されておらず、キック始動しかできないバイクというのはこのカテゴリーのバイクではヤマハ SR400くらいでしょう。それだけでも突出した特徴を持つバイクと言えます。

ファンの間ではコレがたまらなく良いところなのですが、そこに魅力を感じないのであれば残念ながら他の車種を検討することになります。

よくインターネット上で「どうやったらSR400にセルモーターが搭載できるのか」みたいな質問がみられます。デザインも走りも申し分ないが、キック始動だけが気に入らないというのが理由なのでしょう。

技術的にはセルモーターを搭載することも可能なのかもしれませんが、、、それをやってしまうと、もはやそれはSR400ではありません。

確かにセルモーターは楽チンですし魅力的ですよね。でも最先端の技術がいっぱい詰まったバイクとは真逆の、バイクが走るために必要最低限の機能を詰め込んだ、時代の流れに左右されないバイクだというところがこのSR400の最大の魅力なわけです。

そう考えると、セルモーターというのはライダーがちょっと楽できるだけのパーツであり、必ずしも必要なものではないのです。エレベーターやエスカレーターがなくても階段があるでしょ?と言っているのと同じです。

バイクの最先端技術がライダーに歩み寄るのではなく、あくまで主役はバイクであり、ライダーがそれを操るというスタンスに私は共感しています。

とはいえ、最初はスムースにキック始動するために練習が必要です。

参考:SR400のキック始動の方法って、知らない人はなかなかできないと思うので解説します

私も「ホンダ スーパーカブ」に乗っていた時はキック始動でしたので慣れているつもりでいましたが、全然うまく始動しませんでした。

初見でいきなりスムースに始動できるほど甘くはないぞ!!と言わんばかりですが、慣れてくれば別に何とも思わずに始動できます。

逆にSR400に乗ったことがなく、「俺、免許持ってるから:)」みたいなライダーに渡すと、エンジンを始動させることすらできない人がいます。

まず「あれ?セルのスイッチは?」と言われ、キック始動のみだと話すと手順を踏まずにいきなりキックペダルをガツガツと力ずくで踏んで、最後にキックペダルを踏み外して右足のスネの部分をぶつけてしまうというのが一連の流れですね。

なんだか「自分を愛してくれる人にしかシートを跨がせない」と言っているようで可愛いやつですね。昔なにかの雑誌で「蹴り一発!唯一無二!!」みたいなキャッチコピーを見たことがありますが、まさに唯一無二の存在です。

街中でのエンストは気をつけたいポイント

おそらくSR400に乗っていると一度や二度はやってしまうのがこれです。信号待ちや踏切などで一旦停止して、再出発するときにやってしまうのです。

ラフな操作をしたり焦っていたりするとやってしまいがちなので、ライダーには落ち着いて正確にコントロールすることが求められます。逆に雑な乗り方をするライダーには容赦なくエンストが待ち受けています。

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私がよくやるのはエンジンがきちんと暖機運転できていないのに焦ってバイクを走らせる時です。寒い冬などはエンジンが冷え切っていますので温める必要があります。

参考:SR400の「エンジンが温まる前にアクセルを回すとエンストする問題」は故障じゃないよ

特に空冷エンジンはアイドリングが安定しませんので危険です。

オートチョーク機能はありませんから手動でチョークを引っ張ってエンジンを始動し、ある程度エンジンが温まりアイドリングが安定してから発信するのが一番良いです。

でも会社に遅刻しそうな時や、ちょっとそこまで行くだけなのにわざわざのんびりエンジンが温まるのを待っている時間がもったいない、という時に私もエンジンをかけてからすぐに走り出してしまうことがあります。

そうするとかなり高い確率でエンストを経験します。交差点などで走り出そうとアクセルを開けるとエンジンが停止するということは、停車状態から走り出すときにエンストするのと違ってすごく危険です。

話が若干それましたね。とにかくエンストしてしまったら焦ってしまいがちですが、落ち着いて再始動させなくてはいけませんから、私は安全な場所まで押して行って、そこで再始動します。

エンストとの恐怖と戦いながらのツーリングはちょっと神経を使いますが、バイクそれぞれのクセみたいなものもありますので、慣れてくるとエンストしない走りかたというのがわかってきますから、それまでは自分で色々と研究してみる必要があります。

エンストせずに乗れるようになれば、愛車のクセを掌握した気持ちになり、一段とSR400との距離が縮まって愛着が湧きますね。

高速走行はやはり不向きだった

これを欠点と言っていいのかわかりませんが、どんなバイクでも得意分野というのがありますね。アメリカンバイクでオフロードを走ろうとは思いませんし、高速道路ならレーサーレプリカやツアラーなどのカウル付きバイクが楽チンです。

SR400はどちらかというと一般道などの街乗りをゆっくりと楽しむジャンルではないでしょうか。

もちろんカスタムするとメチャ速くなりますし、400ccの排気量ですから高速道路もそれなりに走ってくれますが、快適かどうかというと、、、はっきり言って「快適」ではないですね。やればできるという程度でしょう。

参考:ヤマハSR400での長距離ツーリングで注意すべき5つのポイント

そもそも最近の科学力の結晶のようなリッターバイクではスピードメーターが200km/hとか300km/hまでついてます。

400ccクラスでも、下手をすれば250ccのバイクでもせめて180km/hまではメーターがありますが、SR400は160km/hまでしかありません。つまり高速道路をハイスピードで走るようにはできていません。

私がSR400に乗る前は「ホンダ CB1300SB」に乗っていましたのでその差はかなりのものです。高速道路専門みたいなバイクから街乗りバイクに乗り換えたのですからパワーの差がイヤというほどわかります。

でも逆に考えると「ホンダ CB1300SB」は高速道路以外ではパワーを持て余しますので、SR400の方がいろんなフィールドで使用できる感じがします。ツーリングでも私は高速道路は滅多に使用しませんので、私の使い方にSR400は合っているということですね。

単気筒特有のお尻がかゆくなる振動

私はバイクに乗るときにタコメーターとスピードメーターを照らし合わせながら結構マメにチェックしています。

危ないので気をつけてやっていますが。5速ギアを使って、だいたい法定速度の60km/hで走るには、個体差は微妙にあると思いますがエンジンの回転数は2,500rpmで走ればいいようです。

参考:SR400を手に入れたら把握しておきたい回転数と速度との関係性とは

これくらいの回転数であれば、単気筒エンジン独特の振動を楽しみながらゆったりと走ることができますが、高速走行などでは振動は早く大きくなりますので、この振動の影響でお尻がかゆくなってきます。

単気筒エンジンのバイクに乗ったことのある人なら共感していただけますかね。私はだいたい4,000rpmくらいからかゆくなってきますね。

これは単気筒エンジンの宿命ですのである程度あきらめるしかありません。解決策があるとすれば、こまめに休憩するか一気に走りきるくらいでしょう。

こういうところも、やはりSR400は高速道路を走行するには不向きだなーと感じる瞬間です。

一般道でもあまりエンジンを回し気味に走るとこの振動レベルになりますが、それは一瞬ですからあまり気になりません。

あくまで4,000rpmくらいの振動が長時間つづくとかゆくなるということなので、お気をつけください。としか言いようがありませんね。

振動からくるトラブルへの備えも必要

心地よい振動もSR400の楽しみの一つですが、前述したように高速走行などではお尻がかゆくなることもあります。

そして、そういったライダーへの影響だけではなく、振動でパーツや固定しているネジが緩みやすかったり、ナンバープレートが振動で割れるというような、SR400本体への影響もあります。

あらかじめ ナンバープレートホルダー耐震性強化シート などのパーツを装着することで、大きなトラブルを予防することができますが、振動が大きいが故の備えも大切なことですね。

参考:SR400のナンバープレートは振動で割れる!とるべき対策と予防策とは

SR400が「ゆっくりのんびり行こうよ」と言っているようです

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ここまで書いてきて気づきましたが、ほとんど「欠点ばかり」みたいな書き方をしていますが、そうではありませんよ。

キックスタートが面倒に感じても、エンスト恐怖症になろうとも、高速走行が苦手でも、お尻がかゆくなろうとも、それを受け入れて余りあるバイクだと言いたいのです。

心穏やかに、落ち着いてゆったりのんびり走れば上記のほとんどの欠点は欠点ではなくなります。SR400は本来そういう走りかたをするのが似合うバイクなんだと思います。

SR400と出会う前はけっこうガンガンとハードに走っていましたが、今では逆にライダーである私の方が穏やかになっちゃいましたよ。

ライダーすらも変える可能性をもつこのSR400は、これからも長い付き合いになるバイクなのです。急がずにじっくりとお付き合いしていきたいと思います。

コメント

  1. たまゆら より:

    はじめまして、おはようございます(^^)
    当方22の若造なのですが、初めての400としてSRを選択しました。(95年式・2型です)
    昨日、自宅に車両が届きまして早速乗ってみました。

    キック始動についてですが、私は事前にショップの店長さんにじっくり教えて頂いたので特に問題はありませんでした。

    車体についてですが、教習車のCB400SFと比べるとスゴく軽くて驚きました。

    そして、振動…これはもう仕方のないと言いますか、これがSRの魅力ですもんね(笑)
    お尻の痛みはSR乗りにとって持病であり、宿命だと感じました(爆)

    これから大切に乗っていこうと思います。
    当サイトにもちょくちょくお邪魔させて頂こうかと思います。
    どうぞよろしくお願いします♪

    • atsushi より:

      たまゆらさん はじめまして
      コメントありがとうございます。

      同じSR400ということで非常に親しみを感じています。
      このバイクは「女性でも扱いやすい」というくらい乗りやすいバイクですね。
      私はいきなり教習所でCB750から練習しましたが、以前にCB400SFも所有していたことがあったので重さで言えばSR400はかなり楽ですね。

      「快適さ」や「楽さ」を求めるのなら普通に自動車に乗っていた方が楽で快適だと思いますが、あえてバイクを選んだということはこれも何かの縁なのでしょう。
      振動やキック始動は快適とは言えないものですが、それすらも「個性」として楽しめるようになると、他のバイクでは物足りないくらいのいい相棒になると思っています。

      私は、おじいさんになった時にも白ひげをなびかせてSR400でツーリングとかできればいいなーというのが夢です。
      たまゆらさんも良いSRライフを:)

  2. 長良SR より:

    こんばんは。FIのSRに乗ってる者です。

    乗り始めて1年ちょっとですが、不思議な魅力があるバイクだと感じています。

    エンストしないように気を遣ったり、高速走行で風圧がキツかったりで大変なのですが
    気付けばまた乗りたいと思える、そんなバイクです。

    ゆっくり景色を見ながら走ってみたり、峠道でヒラヒラ曲がってみたり
    乗る人の数だけ楽しみがあると思います。

    それでは、またどこかの道でお会いしましょう

    • Atsushi より:

      長良SRさん、コメントありがとうございます。

      本当にSRは魅力いっぱいのバイクですね。私もそう思います。
      もちろん、もっと乗り心地の快適なバイクとか、ハイパワーで最新のテクノロジーが満載のバイクもありますが、それとはまた違った魅力があると感じています。
      そう考えると、最新式のオートバイが必ずしもその人にとって最良のバイクであるとは言い切れないんですね。
      メーカーもより良いバイクを造ろうと試行錯誤していますから、確かに最新式のバイクも良さがありますけどね。

      お互いにこのSR400との出会いを大切にしつつ、安全運転で楽しんでいきましょう(`・∀・´)ノ

  3. シューン より:

    初めまして!シューンと申します。本日sr400の納車日です。バイクを迎えに行く前に調べ物をしていたら、こちらのサイトに出会いました。
    とても良い情報ありがとうございます。

    • Atsushi より:

      シューンさん、コメントありがとうございます。
      本日がSR400の納車なんですね!おめでとうございます!!
      SR400は私の今までのオートバイ人生のなかでも非常にたくさんの嬉しい時間をもたらしてくれました。
      これから先、シューンさんにもSR400との素晴らしい時間がたくさん訪れることでしょう。
      安全運転をお祈りしています(`・∀・´)ノ
      あと、このサイトの情報がお役に立てて嬉しく思います。
      まだまだ未完成のサイトですので、今後も役に立つ情報があれば可能な限り盛り込んでいこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。