バイクにカバーをかぶせることのメリットとデメリットは?

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アパートやマンションに住んでいるライダーは共同の駐輪場にバイクを停めるのがほとんどだと思います。屋根があったらいい方で、下手をすると雨ざらし日ざらしという状況もあるかもしれません。そういった状況から愛するバイクを守るために最もお手軽に対処できる方法が、バイクにカバーをかけることなのですが、これにはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。

今回はそれぞれのメリットとデメリットについてお話しします。

バイクにカバーをかぶせることのメリット

バイクのサイズや車種によって、また求める機能によっていろんな種類のカバーが発売されていますが、そもそもカバーを使うことでどんなメリットがあるのでしょうか。

防犯対策の基本

最大の防犯対策は、相手の目に見えないようにすることです。これはバイクや自転車といった2輪車に乗る人にとっては、もはや常識です。綿密に計画されたプロの犯行とかだと別ですが、カバーの中身がどんな車種で、どんな程度のものか、またはどの程度のセキュリティレベルで守られているのかということがカバーで隠されているのでわかりません。犯人いとっては手を出しにくくなりますね。

衝動的に盗もうとかイタズラしてやろうという気持ちも起こしにくくなります。2輪車に乗っていると、誰しもが大なり小なり経験のある盗難やイタズラといったものから愛車を守るために最低限やっておいた方がいいと思います。

汚れや傷からバイクを守る

屋根のあるタイプの駐輪場であったとしても、風が強い日などは雨や風の影響で意外に汚れます。屋根がない場合だと鳥にフンとか落とされますし、猫がバイクの上を歩いたりして足跡や傷がついたりします。こういった汚れや傷から愛車を守るためにはカバーが有効です。

また、だいたいの駐輪場は共同で使いますので、他の人も自転車やバイクを停めると思いますが、その際にぶつけられたり、最悪の場合だと倒されたりします。どうしても贅沢な広い駐輪場を確保するのは難しいため仕方のないところもありますが、カバーをしていることで「おっ、大切に扱われているバイクだということは、もしかしたら傷でもつけたら後々で大変なことになるんじゃないか?」みたいな心理が働いてくれると思いますが、良いように解釈しすぎでしょうか?

天候や動物だけでなく、お隣さんにつけられるかもしれない傷、それに伴うギクシャクしたご近所付き合いの関係悪化や無用なトラブルを防ぐ手段にもなりますね。

紫外線による劣化

意外に知られていませんが、いくら汚れがついていなくても紫外線で塗装は確実に劣化します。数ヶ月程度では目立ちませんが、数年単位で時間を重ねるとどうしても塗装が色あせて古びた印象が出てきます。特に樹脂やゴムでできているパーツはすぐにダメになります。

カバーを装着することで紫外線もカットできますから、美しい状態を長く保つことができます。

携帯性に優れている

立派なガレージがある人にはカバーなんて不要だと思われがちですが、カバーは折りたためばかなりコンパクトになりますから、長距離ツーリングなどで見知らぬ土地に行った時にも使えます。

ツーリングにカバーを携帯する人は少ないかもしれませんが、悲しいことに行った先でイタズラされるということも考えられなくはありません。特に泊りがけのロングツーリングなどでは滞在先の治安がどうなのかということまでは正直わからないことも多いと思います。

せっかくの楽しいツーリングを、心ないイタズラで台無しにしないためにも「携帯する」という選択肢を持つことができます。

デメリット

これだけ見るといいことずくめだと思うのですが、デメリットも存在します。逆に考えると、以下にお示しするデメリットを考慮しても使いたいかという点が、カバーを使うどうかの分岐点でしょう。

長期間放置すると汚れやサビ、いたずらに気づかない

カバーをしていれば絶対に汚れないというわけではありません。

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指でなぞってみると意外に汚れていることに気がつきます。次がこれです。

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チェーンがサビまくっています。これにも気がつきません。極めつけがこれです。

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タバコで焼かれました。どこの誰にやられたのかわかりませんが、けっこう上手にできています、、、じゃなくて、このようにイタズラされても気がつきません。要するに「過信は禁物」です。あくまで「カバーを使用しないよりはマシ」程度に考えておきましょう。私もカバーを装着してあるから大丈夫だと思い、そのまま放置していたらエライ目にあいました。

着脱時に逆に傷がつく

これについては、最近のカバーは傷がつかないように工夫しているものが多いですが、それでもカバーとバイクの間に摩擦が生じる以上は目に見えない細かな傷がつくのは確実です。なるべく傷がつかないように着脱するときに神経を使うのは正直、疲れます。

私はこれを気にせずに「エイッ」とカバーを外した時にミラーがズレました。やはり丁寧に扱わないと損しますね。いつまでも綺麗なバイクに乗り続けたいと思ってカバーを使用しているのに、それが原因で傷だらけなんて悲しいですからね。

着脱がめんどくさいため乗る機会が減る

カバーの着脱に気を使うことと、バイクがカバーに隠れて見えないことから、おそらく乗る機会が減ります。というか、着脱が面倒だというのが一番の理由でしょう。結婚するまでは実家に住んでいましたのでガレージがありましたし、別に少々キズがついても「それが味になるんだ」と思って、けっこう雑な扱いをしていました。今となっては、かえってそれがバイクとの距離を縮めてくれたと思いますが、今回は可能な限り良い状態で長く乗りたいと思っているのでかなりデリケートな扱いをしています。

カバーを使うというのは良し悪しがあるなーと思っています。私はそれほどマメな性格ではないので、カバーの着脱はかなりの難関ですね。このハードルをどうやってクリアするかでバイクとの距離が変わってくると思います。

帰宅後すぐにカバーができない

マフラーやエンジンが非常に高温になっていますので、帰宅後すぐにカバーをすると溶けます。最近はそれに考慮して溶けないというものも多く発売されていますが、やはりその部分だけ早く劣化するような印象があります。なのである程度温度が下がるまで待つ必要があります。

待っている間に雨が降ったり、待ちくたびれてしまったり、場合によってはカバーしてないことを忘れてしまい、翌日まで放置していたということも多々あります。そういう時に限って隣の自転車に傷つけられたり、猫がバイクの上を歩いていたりするんですよねー:(

「バイクにカバーかけてないけど、もうマフラー冷えたかなー」とか気になりながら過ごすのもけっこうしんどいですからね。

いつかはカバーそのものにも寿命が来る

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あと、どんなものにも寿命はあります。大体の場合こうやってビリっと裂けてしまうというのが多いとおもいます。消耗品ですし、本来ならバイクが受けるダメージを全部受け止めてくれているのですから当然ですね。

補修しながら使えるだけ使ったら捨てて、新しく買い直さないといけません。私のカバーは約2年で写真のような状態になりました。いつまでも使えるものではありませんから、コストがかかるものだというのも知っておかないといけませんね。

知った上で使うことが大切です

正直、これらのメリットやデメリットを知ったところで、ライダーがとる行動はカバーを使うか使わないかのどちらかなのは間違いありません。でも知ってて使うことは知らずに使うこととは違います。

それはライダーがバイクに求めることがそれぞれに違うということも影響しています。愛車と今後、どのようなバイクライフを送りたいのかによって選ぶ道が違って当然です。

メリットとデメリットを知った上で愛車のために最良の方法を見つけるために、この記事がお役に立てたらうれしいです:)

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