ヤマハSR400での長距離ツーリングで注意すべき5つのポイント

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バイクって所有している人によって、その楽しみ方も様々です。

ツーリングに出かけたり、サーキットで競い合ったり、カスタムを楽しんだり、観賞用のオブジェとしてお店に飾ったり、通勤/通学の良きパートナーであったりと、本当に様々です。

私の所有しているヤマハSR400も同様で、主にツーリングを楽しむために購入しました。スピードを出して楽しむタイプのバイクではありませんが、バイクでできる楽しみ方のほぼ全てに対応できる車種です。

ただし、コンセプトの明確なバイクですのでやはり得意/不得意はあります。なかでも長距離ツーリングについては、ちょっと注意点というか、知っておくべきことがあります。

SR400以外の多くのバイクも乗り継いできた私の視点から、SR400での長距離ツーリングで注意しておくべきポイントを5つほどご紹介します。主に単気筒ならではの振動や車体の軽さ、非力さといったSR400の特性を考慮した計画や心構えが必要ということになります。高速道路

高速道路での激しい振動は覚悟しよう

SR400の特徴でもあり良さでもある単気筒エンジンの振動は、街乗り程度の速度域と回転数であれば逆に楽しめるレベルのものです。というか、SR400が好きな人ってこの振動に惚れて乗り続けていると言っても過言ではないと思います。

ただし、高速道路のような高いスピードレンジで、回転数も上げて走るような環境では逆にそれが仇となり、お尻の痛さとかカユさにつながっていきます。過去の記事でも書きましたが、一般道の法定速度の60km/hで走るには、5速ギアでだいたい2,500rpmくらいの回転数で十分です。

参考:ヤマハ SR400に約1年半乗っていて想う使用感と注意すべきポイントとは | SR Fan.jp

私の場合は4,000rpmを超えてくるくらいでお尻がかゆくなってきますが、高速道路ではこれ以上の回転数がずっと続きます。

長距離ツーリングの場合、高速道路を利用する機会もあると思います。SR400の場合は排気量的にも高速道路を走行可能な車種ですし、普段は行けないような遠くへ旅に出るのであれば、高速道路を走れることのメリットは大きいです。

しかし高速走行を前提に作ってあるバイクではありませんので、快適かというとそういうわけでもありません。強いて言えば、やろうと思えばできるというレベルです。

なので、高速道路を利用したツーリングを計画するのであれば乗り心地とか快適さというのはある程度の諦めが必要でしょう。できれば一般道をトコトコ走るようなツーリングを計画した方が、SR400の良さを存分に味わえるのでオススメです。

SR400 メーター

連続巡行距離は把握しておこう

ところで、みなさんは自分のバイクがガソリン満タンの状態で一気にどれくらいの距離を走行できるか(連続巡行距離)を把握していますか?

私がバイクの免許を取得した当時は、メーターに燃料計がある車種というのは限られていましたし、あったとしても燃料計の性能がそこまで良くなかったので、あくまで参考程度にとどまり、あまり過信しすぎるとあとでちょっと困ったことになるというケースもみられました。

だいたいの人がガソリン満タンにしたと同時にトリップメーターをリセットし、街乗りや高速走行を試してみて、リザーバータンクを使った段階でガソリンスタンドに直行し、どれくらいガソリンが入るかという情報と、トリップメーターの走行距離から燃費を導き出すということをしたと思います。

カタログに書かれている燃費というのは最高の環境での数値であり、ライダーによって走り方のクセもありますし、ほとんど参考にならないというのが本当のところだと思いますので。

ちなみに私のSR400のガソリンタンクはノーマルのタンクですので、容量は12リットル(リザーバータンクはそのうちの2リットル)です。個人的にはあと1〜2リットルくらい多めにあると、他のバイクとのツーリングなんかで給油のタイミングを合わせられるので助かるなーというのが率直な感想です。

高速道路、一般道、渋滞などシチュエーションは様々ですが、だいたいガソリン満タンで250km〜300kmくらいは走ります。街乗りだけであれば私の場合はガソリン1リットルあたり約26km走りますから、完全ガス欠になるのは300km以上走った時ということになります。これを覚えておくことで、長距離ツーリングの計画を立てるときの給油ポイントの設定などが容易になります。

自分の愛車のことですので、ぜひ知っておいてほしいと思います。

バイク 荷物

※写真はイメージです

荷物はしっかりと固定しておこう

先述したように、SR400は単気筒なのに振動をキャンセルするためのバランサーを搭載していない車種です。それにより単気筒の鼓動を存分に楽しめるバイクとなっていますが、ツーリングの時は荷物をしっかりと固定しておかないと、振動で紐が緩んで解けてしまう危険性があります。

あくまで可能性であり、私も今のところそのような失敗は経験したことがありませんが、その昔、私と同じくSR400に乗っていたことのある友人はこれで失敗したことがあるそうです。

その友人はバリバリにカスタムしたSR400に乗って高速道路を使って帰省していたそうです。途中でしっかりと荷物を固定していたはずの紐がほどけてしまい、運悪く後輪のスプロケット(チェーンがかかっているギアみたいな歯車)に絡みつき、一瞬で後輪がロックしてしまったのだそうです。

高速道路ですのでそこそこのスピードが出ていたにもかかわらず、大きな事故にならずに耐えることができたけれど、一瞬の出来事だったので何が何だかわからず、相当に怖い思いをしたというエピソードがあります。

これだけ聞くと、SR400の振動が直接的な原因で紐が解けたのかどうかはわかりません。荷物をしっかり固定していないことによる荷物の落下はそもそもバイクだけの問題ではなく、トラックなどの貨物車両でもみられる問題ですしね。

ただ、SR400の振動を経験していると、荷物はできるだけしっかりと固定しておいた方がいいなと無意識に気をつけてしまうところをみると、振動の大きさが無関係とも言い切れないような気がしています。

落下物は落とし主の責任ですから、大事故にならないように荷物はしっかりと固定しておきましょう。これはSR400に限りませんけどね。

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時間に余裕を持って計画を立てよう

SR400はそれほどスピードが出るバイクではありませんし、逆にゆったり走ることで持ち味が発揮されるバイクですから、無理なスケジュールをこなすためにガンガン走るというのはもったいないことです。

私も以前、複数のリッターバイクとのツーリングに同行したのですが、圧倒的にパワーの差がありすぎて、アクセル全開でヒヤヒヤしながら高速道路を走るというもったいない経験をしたことがあります。

それでもついていくことはできず、結局は周囲のバイクが気を遣ってペースを落としてくれたので助かりましたが、リッタークラスを含めた複数のバイクとのツーリングでは置いていかれるのが当然というくらいの心の余裕を持って走るのが正解です。

迷惑をかけたくない気持ちはもちろんあるのですが、無理についていこうとするとロクなことになりませんし、せっかくの楽しいツーリングが台無しになってしまいます。

もしハイペースについていけないことが気になるのであれば、ツーリングを開始する前に前もってメンバーに説明しておくのもいいでしょう。SR400に乗っているひとがツーリングのメンバーにいるのであれば説明しなくてもわかってくれていることだと思いますけど、念のためにね。

ソロツーリングの場合でも同様で、ペースの遅れは早起きして時間に余裕を持たせるとか、観光スポットを厳選するということで対応することができます。

常日頃から仕事で時間に追われている人であれば、ツーリングという癒しのひとときまで時間に追われるなんてもったいないことです。

時間は有限ですが、最大限楽しむためにも、SR400というバイクを軸にして計画を立ててみてはいかがでしょうか。

SR400 エンジン

エンストしても焦らない心の余裕を持とう

ここまでは高速道路を前提にして書いてきましたが、ツーリングに高速道路を使わないというこだわりを持っている人は意外に多いです。

原付でツーリングするようなケースでは高速道路は使えませんし、中型バイクや大型バイクでも一般道を多用するツーリングのスタイルというのは、ゆったりと景色をみながらその土地の人との出会いや交流も楽しめるのでオススメです。

ただしSR400というバイクに限って言えば、それだけ信号や横断歩道での発進と停止を繰り返すことになりますので、エンストの危険性はイヤでも増えてきます。

セルモーターを搭載しているバイクであれば、エンストしても焦ることなく再始動して対応できるのですが、SR400の場合はかなり焦ります。私も最初は焦りました。

キックペダルを出してデコンプレバーを握って・・・と、ゆっくりエンジンをかけ直していると、他の交通の妨げになるので、ひとまずバイクから降りて安全な場所まで押していき、エンジンをかけ直してから車の流れに合流するのがいいでしょう。

また、エンストに対して過剰に細心の注意を払っているからこそ、逆にエンストで大パニックになるということもあるようです。

おそらくSR400に限らずバイクに乗っていれば、いずれは何度か経験するであろうエンスト。あまり過剰に意識せずに、もしエンストしたらどのような行動をとればいいのかをイメージしておく程度でいいでしょう。

SR400全体像

デメリットもメリットも両方が魅力と思えるのがSR400の良いところ

上記以外にも、軽量な車体とネイキッドであるということにより風の影響を受けやすく、風圧に耐えることによる肉体的な疲労感や、トンネル出口などの急な横風による精神的な緊張による疲労感など、SR400に限らずどんなバイクにもメリットやデメリットがあります。

長距離のツーリングになれば、それらの影響がより顕著になったり蓄積したりと悪影響となり、ツーリングの楽しさが半減してしまいがちです。

あらかじめそういったことを知識として持っておいたり、対応できる箇所は対策を考えておくことで上手にSR400と付き合っていけるし、長距離のツーリングでも楽しい思い出になります。

結局、注意点と書いたもののSR400が好きであれば、それほどのデメリットと感じないという人がほとんどです。そういう人だからこそSR400を選び、乗り続けているんでしょうね。

私の個人的な感想としては、SR400は長距離ツーリングも問題なくこなせるバイクだと思います。ぜひとも旅の良き相棒として上手に付き合っていきたいものです。

コメント

  1. 井田圭一 より:

    私は、2019年式パフォーマンスダンパー付を1年1.1万キロ、高速も随分と走りましたが、120キロ毎時までしか出したことないけど6000回転でも振動は気になりません。前車は4発でした。年式の差もあるのかな。

    • Atsushi より:

      井田圭一さん、コメントありがとうございます。

      私もいろんな年式のSR400を乗ってきたわけではないので確かなことは言えませんが、おっしゃるようにもしかしたら年式の差があるのかも知れません。

      もしくは、単純にライダーの我慢の限界値が違うとか。
      つまり私のお尻が貧弱なのかも知れませんね(笑)

      今では通勤に使う程度でツーリングには行けておりませんが、年月が経過するごとに振動は強くなっている気がします。

      これもSR400の味なんだと思っていますので、うまく付き合っていきたいです^_^