ヤマハSR400の生産終了と後続モデルの開発について想うこと

私の愛車であるSR400は2007年式のキャブレター車です。

1978年から始まったSR400の歴史の中では細かな仕様変更はありましたが、排ガス規制によって生産終了したのは2010年にFIに変更になった時(生産は2008年まで、販売は2009年までされていた)に続いて2回目です。

そして今回は早々に後続モデル開発中のアナウンスがあり、SRファンのなかには一喜一憂している人も多のではないでしょうか。

ただ、私的には一言で SR400の後続モデル といってもいろんな捉え方ができると感じています。今回は私の個人的に考えていることを書き出してみようと思います。

後続モデルってどういうことだろう

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後続モデルと一言で言っても、いろんなパターンが考えられます。我々が知っている今までのSR400を継承したものになるのか、全くの別物になるのかはわかりませんよね。

新しい排ガス規制をクリアして変わらない姿で戻って来るのか

2010年にFI化された時は、外観はほとんど変化がありませんでした。(FI:Fuel Injection:電子制御式の燃料噴射装置)

どうしても変更しなければならない妥協点はありましたが、ライダーがSR400に求めている魅力を可能な限り継承したモデルになっていたと思います。

もちろん賛否両論はありますが、それでも変わらずに「それはSR400だ」と多くの人が認め、歴史が続いていると認識されているわけですから、結果的にはうまく排ガス規制をクリアしてくれたと思っています。

同じような名前を冠していながら別物としてリリースされるのか

過去にはSRXやSRVといった後続モデル(というか、派生モデル)がリリースされながらも本家の魅力に敵わず早々に生産終了したという経緯もあります。

まぁ個人的にはSRXとかは別の魅力があって、それはそれで好きなんですけどね。

でも、これまでのSR400をベースにセルモーターを搭載したり、V型エンジンにしたりと変更を加えていくと、どうしてもSR400の本来の魅力が消えてしまう気がします。

どうか、そのようなことにならないで欲しいものです。

外観は同じで、セルモーターや最新のテクノロジーを備えた別物になるのか

外観・走りなど、求めるものは人によって違うのですが、最新のテクノロジーを備えてしまうと、外観がそれほど変化していなくても、それはもはやSR400ではないと思います。

もし最新テクノロジーが満載のバイクに乗るのならわざわざSR400を選ぶ必要がなく、他に類似したカッコいいバイクはたくさんあると思うからです。

SR400は唯一無二の存在であるという点が高く評価されているわけですよね。他のバイクではダメだという人がSR400に行き着くんじゃないかとすら思うのです。

ここで安易に最近の技術をたくさん搭載すれば、排ガス規制はある程度クリアするのが簡単になるのかもしれませんが、それをしないでクリアできるのかという点が注目されているわけですし、私も注目しています。

SR400の良い点は継承されるのか

人それぞれにSR400に感じている良さというのは様々だと思うのですが、一般的に言われているのが

  • 飽きのこないシンプルなデザイン
  • 古き良き時代を思い起こさせるスタイル
  • 必要最低限のスペックに抑えることで生まれる軽量コンパクトな車体と軽快な乗り味
  • ビッグシングルならではの鼓動
  • キックスタートにこだわり続ける潔さ

などがその代表でしょう。

今回アナウンスされている後続モデルでも、それらの良さが楽しめる魅力的なSR400として戻ってきてくれるのであれば嬉しいですが、そうとも限りません。

前述したようなSR400の良さを保ちつつ、排ガス規制を乗り越えるのは至難の技なのでしょう。だからこそ期待が大きいんですよね。

すでにSR400に乗っているライダーに影響はあるのか

私が乗っているSR400はもう10年以上が経過しましたので、メーカーが新品の部品を製造・保管しておくべき期間を超えてしまっています。

なのでメーカーから純正部品を新品で買うということはできません。

厳密に言えば、最近のSR400の部品でも流用できるものもありますから、必ずしも全ての部品が手に入らないということではないのですが、キャブレター仕様とインジェクション仕様では根本的に共有できない点もあるため、使えないパーツもあります。

今後も今のSR400にはノーマルで長く乗りたいと思っているのですが、選べるパーツが社外品のカスタムパーツだけということになってしまわないかと心配しています。

おそらく今後も幾度となく排ガス規制の波が押し寄せて来るんだと思いますが、昔から変わらずに存在するバイクというのはそれだけ純正部品が新品で揃いやすく、ノーマルのままでも長く大事に乗れるというメリットもあると思うのです。

同じSR400がたとえ40年、50年、それ以上と歴史を繋いでいても、中身がまったくの別物だから結局は部品が手に入らないということになるのが怖いです。

すでにリリースされている旧モデル用のカスタムパーツは使用できるのかな

前述したように、私はノーマルのまま乗るのが好きなのですが、カスタムベースとしても人気の高いSR400です。

当然ですが、これから後続モデルとしてリリースされるであろう生まれ変わったSR400を購入して、カスタムしたいと思っている人もいると思います。

そうなった時に、過去のモデルで使われていたカスタムパーツがそのまま新型でも使えるのかどうかというのは大きな関心事です。

もし「仕様が変わりすぎて使えないから各パーツメーカーからリリースされるのを待ってください」ということになると、せっかく長年にわたり「変わらない」ということがウリのSR400なのに、結局パーツは使い回せないほど中身が「変化している」ということになりますよね。

ロングセラーならではの強みが活かせる程度の変更点 だけに抑えたままで、再びリリースできるものなのでしょうか。頑張ってもらいたいです。

変わらないことは想像以上に難しいこと

古くからの伝統を受け継ぐような仕事をしている人には分かってもらいやすいのかもしれませんが、伝統を受け継ぐということは「全く変わらないこと」とは違います。

変わらない状態というのはそこに停滞しているだけです。実際には周囲がめまぐるしく変化しているわけですから、停滞し続けていたら時代の波に飲み込まれて廃れてしまうのもわかりますよね。

変わらずにあり続けるために柔軟に変化していく。

これだけ聞くとただの言葉遊びのようにも思えますが、非常に大切な要素であり、今までのSR400の歴史においても、キャストホイールやディスクブレーキなど、細部を時代にあわせて変化させてきた結果として今のSR400が変わらずに存在しているのです。

そして、今まさにSR400が現在置かれている状況というのが、それに相当するのではないかと思っています。

とにかく、私はSR400が大好きなんですよ。何とかこの試練を乗り越えてください。

ヤマハさん、頼みますよぉ。

Posted by 愛媛ブロガー Atsushi(@Atsushi_k0

コメント

  1. たまゆら より:

    おはようございます。大まかな部分は変わらずに、何とか復活してほしいものですね。
    始動方式に関しては、あまり規制とは関係無いような気がしますし、約40年もキック式で造り続けてきたエンジンにわざわざセルを新たに搭載する事は考えにくいですね…。
    SRにセルを求めている方もいるみたいですけど、個人的にはキックだけで充分です。(笑)
    自分のマシンのエンジンを、自分の力で始動するって今となっては希少ですし、魅力的な事だと思います。
    駄文失礼しました。

    • たまゆら より:

      【追記】今年の2月にSR400買いました。
      2005年式、自分もほぼノーマルで乗っています。

    • Atsushi より:

      たまゆらさん、コメントありがとうございます。
      ツイッターのたまゆらさんも同じ方ですよね?重ねてありがとうございます。

      確かに、始動方式が排ガス規制によって変更になることはないですよね。よく考えたらその通りですね。
      いまどきはオフロード車くらいしかキック始動だけのバイクはありませんから、ロードスポーツでキックオンリーは貴重です。SR400に乗っている人ならわかってもらえるであろう、走る前の神聖な儀式ですよね(笑)。
      SR400も購入されたということで、親近感が湧いています。お互いにほぼノーマルということですし、大事に乗って行きましょうね(^ ^)