バイクの免許を持っている人であれば、バイクを減速もしくは停車させるためには基本的には前輪ブレーキを使い、補助としてエンジンブレーキや後輪ブレーキを軽く使うというのは教習所で習うことであり、周知の事実だと思います。
私はどうしても後輪ブレーキを強めにかけるクセがあるようで、雨の日に減速しながらマンホールを踏んだ時などに、たまに後輪がちょっとだけロックしてしまうことを経験します。
でもこれはある程度、予測のうえで起こっている現象なので別にびっくりしないのですが、晴れた日の急ブレーキで後輪がロックすることがあり、ちょっと焦りました。
SR400は後輪ドラムブレーキの効きがすごくいい ですね。
SR400は後輪ドラムブレーキの効きが良い
今までに私が乗ってきたバイク達は、後輪がディスクブレーキのものやドラムブレーキのものがあり、効きの強さも様々でした。
ただ、それらの経験からは ディスクブレーキの方がドラムブレーキよりも効きが良いという印象があり、特に ホンダFTRは後輪ブレーキを強くかけてもほとんど制動力が立ち上がりませんでした。
なので私のように後輪ブレーキを強くかけるクセがある人にとってはラフな操作を許してしまうため、逆にちょっと危険な印象があります。
そうでなくても、今まで乗り継いできたバイク達はそこまで後輪ブレーキの効き具合について意識することなく乗れてきましたが、SR400はものすごく効くなーという印象が強いです。
理論的にはドラムブレーキの方が効く
FTRの後輪ドラムブレーキの効きが悪いと思った理由としては、実際に効かないというのもあるのですが、以前に読んだバイク雑誌で 理論上はドラムブレーキの方がディスクブレーキよりも効く というのが知識としてあったからでした。
詳細は他に譲りますが、そのバイク雑誌によると、ディスクブレーキの ディスクとパッドが接する面積 よりも、ドラムブレーキの ドラムとブレーキシューが接する面積 の方が大きいというのが、ドラムブレーキの方が効くという理由だったと思います。
もっと詳しく解説すると、特殊な物理的な力がかかるので構造的にドラムブレーキの方が効くということのようですが、ここでは割愛します。とにかく、ドラムブレーキの方が効きが良いようです。
SR400は、年式によっては前輪もドラムブレーキのものと、私が所有しているようなディスクブレーキのものがあります。
ここで簡単にディスクブレーキとドラムブレーキの特徴を列挙すると、ディスクブレーキは
- ダスト(摩擦で削れたブレーキのカスのようなもの)が溜まりにくい
- 外気にさらされているので熱が冷めやすい
- 雨や水たまりに強い(遠心力で水がすぐに飛ぶから)
- 微妙な強弱のコントロール性が良い
- ドラムブレーキよりもちょっと効きが悪い(メチャクチャ悪いわけではない)
逆にドラムブレーキは、
- 密閉構造なのでダストが溜まりやすい
- 密閉構造なので熱が冷めにくい
- 水が入ると効きが格段に落ちる
- ブレーキを軽くかけてもいきなり強く止まる(コントロール性が悪い)
- ディスクブレーキよりもちょっと効きが良い
ということになります。
あとは両者に言えることとしてデザイン、つまり見かけ上のかっこよさや好みの問題があります。
SR400はレトロなカテゴリーに属するバイクなので、あえて前輪もドラムブレーキの年式を選ぶようなマニアックなオーナーさんもいるようです。
ドラムブレーキの方が懐古主義の人にはたまらない、逆にディスクブレーキはメカニカルで先進的なイメージといったところでしょうか。
ともあれ、こうやって特徴を列挙してみると分かってきますが、SR400の後輪ブレーキはただでさえドラムブレーキということで効きが良いのに、効き始めからすごい制動力が立ち上がるのですごく効いている感じがするのだと思います。
高速走行からの急なブレーキで後輪ロックを経験した
一般道を走行中ですから、べつに高速走行というわけでもないのですが、信号が変わるタイミングを見誤り、思いがけず急ブレーキをかける状況になりました。
SR400はサスペンションが柔らかめなので、前輪がググッと沈み込んで荷重がかかり、逆に後輪は荷重が抜けた状態でしたが、今までのバイク達はこの状況でも後輪がロックすることはありませんでした。
SR400については先述した情報によると、後輪ドラムブレーキの効きが良いことと、初期制動力が強いため、後ろから「キューーツ」というスキール音が聞こえてきました。
後ろに車はいませんでしたから、SR400の後輪がロックしたのだと後で気がつきました。
路面がドライな状況で後輪がこんなに簡単にロックしたのは、教習所時代にCB750SFに乗ったとき以来でしょうか(教官にけっこう注意されてましたが)。
直線道路でしたのでロックした感覚があまりなかったのですが、道路がちょっとでもカーブしていたら、スピンしていたかもしれませんね。危ない危ない。
ブレーキのクセを知って安全な減速・停止を心がけよう
ともあれ、自分の愛車のクセというのは長年つきあっていけば自然とわかってくるのですが、ブレーキというのはあらゆる乗り物で最重要部品です。
エンジンやその他の部品というのは、壊れていたら走り出す前やちょっと走り出したときに気がつくので大きな事故にならずに済むのですが、ブレーキというのは減速・停止するときになって初めて異常に気がつくパーツです。
下手をすると 時すでに遅し ということにもなりかねません。
余談ですが、バイクには自分の思った通りにカスタムするという楽しみもありますが、だいたいの人がまずマフラーを変えるとかプラグを変えるとか、おしゃれパーツを付けるとかいうところから着手するようです。
私は状況が許すなら、車でもバイクでもまずはブレーキから着手します。ブレーキ全体をカスタムするとすごい金額になるので、ブレーキパッドを効きの良いものにするというのが私の定番です。
マフラーを交換したりプラグを高価なもにすると、エンジンの出力が高まりますから、ブレーキにかかる負担が増えますので、まず確実にしっかりと止まれる状況をつくってからでないと怖いですね。
ともかく、予備知識として SR400の後輪ドラムブレーキは効きが良いうえに初期制動力が強く立ち上がる というクセがあるということを知っておけば、実際に乗ってみた時に感じるブレーキ感覚とうまく合わさって、早期からブレーキのクセを把握することができると思います。
繰り返しになりますが、ブレーキはほんのちょっとの違和感でも命取りになりかねない問題です。
私もこれを知っていれば、先日の急ブレーキの時にもヒヤリとすることはなかったのかもしれませんし、安全なバイクライフを楽しむためにも、ぜひ知っておきたい知識です。
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